【追記アリ】このままではいかん!!給特法改悪で誰が得をする?【補償原理】
こんにちは、しんです。
最近、給特法改正案についてTwitterにて再び議論が巻き起こってます。
議論というか、ほとんどが反対運動ですけどね…
いきなりですけど、先日こんなツイートをしました。
話題の発端は斉藤ひでみ先生の設置したオンライン署名「change」です。
— みしん@勉強中 (@shin_catus) 2019年8月30日
これについて斉藤先生は「変形労働時間制導入というのは一年以上前からわかっていた事です」とツイートしています。
つまり、斉藤先生が掲載した文章はおそらく昨年の中教審答申の内容をおさらいするためのものだと思われます。
給特法改正案については僕も納得していません(特に変形労働時間制)。
— みしん@勉強中 (@shin_catus) 2019年8月30日
斉藤先生の署名をきっかけに反対運動が再熱することはとてもいい事ですが、ちょっと僕自身情報の出所に混乱があったのでわかった限りですがツイートしておこうと思いました。
新たな情報や間違いがあったらリプ欄にお願いします。
このツイートを少し補足してまとめると、
①2018年8月に文科省が変形労働時間制を導入する方針であることが毎日新聞より報じられる(注1)
学校における働き方改革特別部会(第16回) 配付資料:文部科学省
②変形労働時間制については2018年12月の答申素案の時にも問題視され、その時にも反対意見がタイムラインに溢れていた
学校における働き方改革特別部会(第20回) 配付資料:文部科学省
③2019年1月、最終的な答申が出され、変形労働時間制を含む改正案を国会に提出すると発言された
学校における働き方改革特別部会(第21回) 配付資料:文部科学省
④2019年8月、斉藤ひでみ先生による給特法改正を訴えるオンライン署名changeの進捗ページの中に「10〜11月の臨時国会に改正案が出される見通し」であるという文章が記載される
そして今に至る。って感じです。
【追記: 2019年9月1日】
Twitterでこの記事を共有したところ、斉藤ひでみ先生ご本人に読んでいただくことができました。
その際先生からDMを頂いたので、少し追記しておきます。
「(僕が)給特法改正を訴えたから改悪(変形労働時間制)が検討されてしまった」という時系列を無視した非難が流れてきてビックリ!
僕が署名を開始したきっかけは添付の記事。
記事(2018.2.25)読売→署名開始(2.28)
現場から改正の形を示さないと大変なことになると、一人危機感を募らせたのだった。 pic.twitter.com/w6TCL7p6Qm
こちらのツイートおよびスレッドにある通り、変形労働時間制の導入については平成20年ごろから議論に出てきています。
読売新聞の記事は2018年2月で、その記事をきっかけに斉藤先生は署名を行なったそうです。
なので、「署名を盾に改正案をゴリ押ししようとしている」とは言えるかもしれませんが、「署名のせいで改悪に至った」わけではないと思います。
そして署名から半年後の2018年8月に、中教審で本格的に議論が始まった、ということです。
大体の流れはこんな感じで間違ってないはずです。
(追記はここまで)
特にTwitterで一番反対運動が過熱していたのが2018年12月の答申素案の時だったように思います。(僕の感覚です)
今回の斉藤ひでみ先生のchangeの件で新しく変形労働時間制の導入について知った人もいるかもしれないし、前々から知っていて今回再び問題視している人もいるかと思います。
変形労働時間制について問題視されるのはいいことだし、今訴えなければ大変なことになる可能性があります。
給特法および変形労働時間制についてはこちらで詳しく解説されています。
現状、給特法改正をごまかすために変形労働時間制を導入しようとしているように残念ですが見えてしまいます。
給特法改悪とまで言われています。
ここまで言われても変形労働時間制をやめないのはなぜなのか?
給特法改悪で誰が得をするのか?
個人的に思うことを書きたいと思います。
お国の都合?
実際のところ、給特法改正はかなりハードルの高い問題です。
現在の教員が給特法によって不払いとなっている残業代を全て賄おうとすると、年間9000億円かかるらしいです。
9000億円ですよ?
ポカーンって感じですよね、、
どれだけ教員は搾取されているのか。
怒りすら湧いてきます。
ただ、それが現実で、お金がないのが現実なのです。
実際どこにどれだけお金を使っているのかは不明瞭(報告書が信用できない)なのでなんとも言えませんが、すでに日本は先進国で裕福な国ではありません。
GDP成長率や実質賃金やらのデータを見てみても他の先進国と比べれば一目瞭然です。
というか、「そもそも昔から先進国ではなかった」とまで言っている人もいます。
つまらないプライドは捨てて、身分相応の国になるべきです。
……。
とまあ、政治の話をそんなにしても仕方ないので話を戻します。笑
こんな苦しい状況の中で、今の今まで教員の情熱と愚直さに助けられてきた年間9000億円は、簡単には埋められないのだと思います。
だからこそ、学校の働き方改革でやるべきことは、業務精選であるといつまでも訴えます。
特に部活動の改革がなければ未来はありません。
補償原理
この前経済学の勉強をしていたら、『補償原理』というのが出てきました。
補償原理
…ある変化によって得をする人が、損をする人の損分を補償してなお利益を得る場合は、人々はその変化を是認するべきである
ちょっと難しいので具体的に言うと、
農作物の輸入制限を緩和する法律が検討されたとします。
すると、海外産の農作物が国産より安価で日本に入ってきます。
消費者としてはより安く買えるので満足ですが、農家としてはシェアを海外産に奪われてしまうので自分の売り上げが落ちてしまいます。
この時に、農家の売り上げの損分を、消費者への増税で補償として出した場合を考えます。
消費者への増税で農家の損分が全て賄えたとして、それでもなお消費者が得をするなら、農作物の輸入制限を緩和する法律は是認されるべき、という理論です。
ただし、補償原理の大事なところですが、得をする側は必ずしも損をする側に補償を行う必要はありません。
得をするはずの人に「補償するから金くれ」って言っても、受け入れ難いのが人間ですよね…。
でも仮に補償が行われなかったとしても、この変化を是認することで経済全体の利得のパイは確実に大きくなっているので、次は補償原理を満たした上で農家が得をするような政策を打ち出せば良いのです。
そうすることで、損をしてもそのうち得するし、みんなの幸せはどんどん増していきます。
国に頼るな!
この補償原理というのを学んで最初に思ったのは、
「だったらもっと色々政策通してもいいんじゃないか?」
ってことです。
誰かが大きく得をして、なおかつそれ以上の損害が出ない政策を繰り返していけば全体のパイは大きくなるはずです。
給特法も改正もしくは廃止してよくない?(もちろん変形労働時間制はなしで!)
(厳密に言えば給特法に補償原理はそこまで関係してないのであくまで概念的に、です)
でも現実うまくいかない。
それはなぜかというと、そもそも補償原理的なものがうまく機能してないんじゃないか?と思うんです。
既得権益を守ろうとすれば、変化は受け入れられません。
今、国は年間9000億円を払わなくていいんです。
それは言い換えると、「年間9000億円分得をしてる」ってことです。
もしそれが理由でここまで渋ってるとしたらクソですよね。流石にそれはないと信じてますが。
でも結局のところどんなに訴えても国が要望通りに動いてくれるかわかりません。
正直最近の政治は控えめに言ってクソで、加計学園やら統計不正の問題やら増税やら、不信感ばかり漂ってます…。
国に訴えるのはもちろん、自分たちも現場レベルでできることをしたり、自治体レベルで改革していくとか、そういうことが必要なのかなと思います。
最初から国に頼ってはいけません。
自分が動いてこそ、国も動いてくれるのです。
と、偉そうにも僕は思ってます。
以上、長くなってしまいましたがありがとうございました!
【追記: 2019年9月1日】