【データ遊び#1】日本の教育支出とは!
こんにちは。
思いの外時間がかかってしまいましたが、データ遊びしてみました。
やってることは完全に二番煎じです。笑
データの入手元は、先月OECDが発表した『Education at a Glance 2018』のエクセルデータです。
OECD (2018), Education at a Glance 2018: OECD Indicators, OECD Publishing, Paris. http://dx.doi.org/10.1787/eag-2018-en
いろんなデータがあったのですが、パッと目を引いた「教育支出」について考えたいと思います。
【データについての説明】
教育支出の役割
まずは教育支出とは何を指すのかについて簡単に紹介します。
OECDのデータでは、
- 「Public Spending on Education」(=公的教育支出)
- 「Private Spending on Education」(=私的教育支出)
の2つの教育支出に分けられています。
公的教育支出→政府による教育支出。
私的教育支出→家計による教育支出。(公的補助金を控除した教育機関への支出)
大雑把にこれくらい把握しておけば良いでしょう。
当たり前ですが、教育支出が多いほど教育にプラスの効果を与えます。
そして、公的教育支出の割合が多ければ、国が負担する割合が大きいということです。
公的・私的それぞれの教育支出の国による差を比べると、日本はどんなポジションにいるのか。
順番に見ていきましょう。
公的教育支出
OECDのデータをもとにグラフを作りました。↓↓↓
赤く塗ってあるところが日本です。
そうです。最下位なんです。
OECD諸国の平均値がオレンジの線ですが、GDPの1%ほどを公的支出が占めています。
一方で日本は、0.4%ほど。
2015年の日本のGDPは約4兆ドルなので、公的教育支出の割合が0.1%増えるとおよそ40億ドル支出が増えます。
日本円にしたら4000億円くらい。
もし日本が平均値の1%に達した場合、日本の公的教育支出は約2兆4000億円増えます。
なんかすごい増えるってことがわかってくれればいいです。笑
公的教育支出大事!!もっと増やせ!!
私的教育支出
次に、私的教育支出です。↓↓↓
こちらはそこそこ割合が高いですね。
平均値も大きく上回っています。
しかし、これは手放しに喜べる数値ではありません。
なぜなら私的教育支出の割合が高いということは、家計からの負担が大きいということだからです。
日本は教育に関して、「教育の便益を得るのは教育を受けた個人であるから、教育支出も個人が負担すべきである」という風潮があるのです。
そんな日本に僕は教育の外部性ってご存知ですか?と問いたい。
総合教育支出
公的教育支出+私的教育支出もグラフにしました。
このグラフを見ると、日本はだいたい平均値くらいの値をとっていることがわかります。
最初に述べた通り、教育支出が多いことは教育にプラスの影響を与えます。
この点でアメリカはGDPに占める総合教育支出の割合が一番高いです。
しかし、アメリカは同時に私的支出の割合も高いのです。
その結果どうなったかというと、教育機会の大きな格差が生まれました。
お金持ちの家の子どもしか大学に通えない。
大学に受かっても、奨学金がもらえる成績ではなかったため、入学を辞退せざるをえない子どもだっているのが現実です。
日本もそうなる未来が見えます、、
対して北欧諸国は何事にも理想的な対応をしている、と個人的には思うのです。
- 公的支出が大きい。
- 私的支出が小さい。(ほぼゼロ%)
- 総合支出は平均やや上。
理想的じゃありませんか?
大学の学費は国が出してくれるし、だからといって教育の質も下がらない。
その分税金も大きいんだろうけれど、医療や福祉にもそのお金は回される。
アメリカやイギリスのような一部の者を優遇する格差を助長する政策と、北欧諸国のような弱者にも救いを差し伸べる政策と、どちらがお好きですか?
皮肉にも、西側陣営とそれに組しなかった北欧諸国やアイルランド・スイス・オーストリアなどとの間に現代でもこのような差が生まれているのは、冷戦の負の遺産なのではないでしょうか。
争いは何も生みません。
一時の富をもたらすだけで、後々ツケが回ってきます。
争いを好まない、中立の姿勢が牽いては正しい政策を生み出す思想につながるとなんとなく信じています。
最後ちょっと脱線しましたけど以上、データから見た教育政策の違いでした。
どうもありがとうございました!